新着情報

月別アーカイブ: 2025年4月

第6回解体工事雑学講座

皆さんこんにちは!
タクミ工業株式会社、更新担当の中西です。

いつも「解体工事雑学講座」をご覧いただき、ありがとうございます。


第6回 解体工事におけるコスト管理と工程最適化

解体工事では、安全・環境対策と同時に、コスト管理と工程の効率化が事業の成否を左右します。適切な原価計算と計画的な工程管理で、無駄を省きつつ品質を確保する方法を詳しくご紹介します。


1. 原価計算のポイント

  1. 直接費と間接費の明確化

    • 直接費:重機リース料、人件費、廃材処分費など、工事量に比例する費用

    • 間接費:現場管理費、安全管理費、仮設設備費など、工期に依存する費用

  2. 単価設定の精度向上

    • 過去実績データをもとに、重機使用時間あたりの燃料費・保守費を算出

    • 廃材運搬距離ごとの運搬単価と処分場の手数料を正確に把握

  3. 見積もりと実績の乖離管理

    • 毎週のコスト実績を見積もりと比較し、差異分析を実施

    • 大きな乖離が発生した場合は、即時原因を調査し、対策を講じる


2. 廃材運搬・処分コストの削減策

  1. 最適ルート計画

    • 廃材処分場への最短ルートをGIS(地理情報システム)で算出

    • 運搬トラックの積載効率を高める荷役計画

  2. 中間処理施設の活用

    • 現場近隣のリサイクルプラントを利用し、搬送距離と時間を短縮

    • コンクリート破砕機を現場配備し、再生骨材化して再利用

  3. 分別精度向上による単価低減

    • 金属、木材、コンクリートなど細分化した分別で、リサイクル率アップ

    • リサイクル品目ごとの買取価格を事前調査し、収益化を図る


3. 工程表作成術と短縮の工夫

  1. クリティカルパス法(CPM)の活用

    • 全作業を洗い出し、最長経路(クリティカルパス)を特定

    • クリティカルパス上のタスクにリソースを重点配分し、遅延リスクを最小化

  2. 並行工程の導入

    • 廃材分別と重機解体を同時進行で実施し、全体工程を短縮

    • 安全ゾーンを設定し、異なる作業班が干渉しないよう調整

  3. デイリー・スタンドアップミーティング

    • 毎朝10分程度で前日の進捗と当日の重点作業を共有

    • 問題点を早期に発見し、即時対応策を決定


4. ICTを活用した進捗・コスト管理

  1. 現場管理アプリ

    • タブレットで作業実績(時間、人数、重機稼働)をリアルタイム入力

    • クラウドでコスト実績と連動し、ダッシュボードで可視化

  2. ドローンによる進捗撮影

    • 定点空撮で現場の廃材残量や重機稼働状況を定期的に確認

    • 画像解析で作業進捗を自動算出し、報告書作成を効率化

  3. BIM連携による数量管理

    • 解体対象モデルから自動で部材数量を算出し、見積もり精度を向上

    • 変更が発生した際は即時モデル更新で、工程とコストに反映


次回予告

次回の第7回では、「解体工事の最新技術と機械化の潮流」をテーマに、

  • 高性能ロボット解体機の活用事例

  • AI搭載重機による自動化施工

  • 3Dスキャナーでの現況把握

など、業界をリードする最新テクノロジーをご紹介します。どうぞお楽しみに!


タクミ工業株式会社では、一緒に働いてくださるスタッフを募集中です!
「人柄」を最重視する採用を行っていますので、ぜひ求人情報ページをご覧ください。
皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!

 

第5回解体工事雑学講座

皆さんこんにちは!
タクミ工業株式会社、更新担当の中西です。

いつも「解体工事雑学講座」をご覧いただき、ありがとうございます。


第5回 解体工事の環境対策と廃棄物管理

解体工事では、安全管理と同時に、環境への配慮も欠かせません。建材や廃棄物を適切に処理し、リサイクルや再資源化を推進することで、地域社会と地球環境にやさしい工事を実現します。今回は、解体工事における環境対策と廃棄物管理のポイントをご紹介します。


1. 廃棄物の分別とリサイクル

  • 現場での分別作業

    • コンクリート、鉄筋、木材、プラスチック、ガラス、石膏ボードなどを種類ごとに分ける。

    • 色分けシートや専用コンテナを設置し、作業員が一目でわかるように管理。

  • 再資源化の流れ

    • コンクリート塊:破砕して再生骨材として再利用。

    • 鉄筋・金属:スクラップ業者へ引き渡し、製鋼原料に。

    • 木材:チップ化してバイオマス燃料や建材として再利用。

  • 分別率向上の取り組み

    • 事前調査で廃材の種類・量を把握し、分別手順を現場計画に組み込む。

    • 定期的な教育・巡回指導で分別精度を維持。


2. 有害物質の適切処理

  • アスベスト(石綿)対策

    • 事前調査でアスベスト含有建材を特定し、除去計画を作成。

    • 専門業者による封じ込め・除去作業を実施し、飛散防止対策(湿潤化、陰圧状態)を徹底。

  • 塗膜・シーリング材の処理

    • 重金属を含む塗膜や古いシーリング材は、専用の密閉容器で回収。

    • 廃棄物処理法に基づく適正処分施設へ搬入。

  • PCB・フロン類の管理

    • 変圧器やエアコンユニットに含まれるPCB、フロンガスは、法令に従い専門業者へ引き渡し。

    • 事前に量と保管状況を把握し、漏洩リスクをゼロに。


3. 騒音・振動・粉じんの低減策

  • 低騒音型重機の導入

    • エンジンマフラーや防音カバーを装備した重機を選定。

    • 騒音レベルを計測し、地域の許容基準以下を維持。

  • 振動対策

    • 小型・低振動の油圧ブレーカーを使用。

    • 振動測定器でリアルタイムに数値を監視し、必要に応じて作業方法を見直し。

  • 粉じん飛散防止

    • 高圧水噴霧装置による散水、養生シート・防塵シートで囲い込み。

    • 作業時間帯を近隣の通学・通勤時間帯とずらし、影響を最小化。


4. 環境負荷低減のための最新技術

  • ドローンによる事前調査・モニタリング

    • 空撮データで廃材量を高精度に算出し、運搬回数を最適化。

    • 進捗管理や粉じん・騒音のホットスポットを早期に特定。

  • BIM連携による廃棄物予測

    • 建物情報モデル(BIM)を活用し、解体対象部材を3Dで可視化。

    • 廃棄物量の自動算出と分別計画の精度向上を実現。

  • IoTセンサーによる環境モニタリング

    • 現場周辺の粉じん濃度、騒音レベル、振動レベルをリアルタイム監視。

    • データをクラウドに蓄積し、報告書作成の省力化と透明性を確保。


次回予告

次回の第6回では、「解体工事におけるコスト管理と工程最適化」をテーマに、

  • 原価計算のポイント

  • 廃材運搬・処分コストの削減策

  • 工程短縮のための工程表作成術

などを詳しく解説します。どうぞお楽しみに!


タクミ工業株式会社では、一緒に働いてくださるスタッフを募集中です!
「人柄」を最重視する採用を行っていますので、ぜひ求人情報ページをご覧ください。
皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

詳しくはこちら!